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| 中国情報局発!2004年中国の10大ニュース |
| 如月隼人 発信:2004/12/28(火) 12:30:01 |
快進撃続ける中国にしのびよる不安の影−如月隼人
急成長を続ける中国だが、その問題点も次第に明らかになってきた。すでに中国国内でも、「速すぎる成長ではなく、持続可能な成長」を求める声が主流になっている。04年に表面化した社会や経済のひずみは、多くの場合、解決が05年以降に持ち越されることになった。今後の中国の動きを占う意味をこめて、04年の10大ニュースを回顧してみたい。
1.経済過熱に政府マクロコントロール強化
昨年から、中国は鉄鋼・アルミニウム、セメントを中心に経済の過熱傾向があきらかになった。政府はマクロコントロール策を強化して対応。国家統計局によると1−6月のGDP(国内総生産)は9.6%、通年では9%程度になる見込み。その他、CPI(消費物価指数)が6月から9月まで連続して前年同期比5%台の上昇となった。10月には9年ぶりなる金利引き上げを実施。CPI自体は、10月に前年同月比4.3%、11月には2.8%と、インフレ懸念はひとまず遠のいた。
2.長期化する深刻な電力不足
03年に続き、中国各地で深刻な電力不足が発生した。発電・送電設備の建設が急ピッチで進められたが、電力需要の伸びに追いつかない状態。電力不足は05年も続き、06年になってようやく一段落する見通し。ただし、供給能力の増強を急ぐあまり中小の発電設備が大量に建設されており、今後はコスト面への影響や環境への負荷増大が懸念されている。発電用石炭の不足や物流ルートの停滞も深刻化。炭鉱事故の多発も04年の特徴の一つだが、その遠因にも。
3.自動車業界、魔の5月から復活ならず
外資導入にも成功し、空前の活況を見せていた自動車業界が5月、販売台数で前年同月比20.43%減と、1999年以来の下げ幅となった。その後、販促のための値引きを行うと、消費者が「いずれ、もっと値が下がる」と買い控えをするという悪循環も発生。また、金融政策の影響で自動車ローンが組みにくくなり、国際的な原油価格の値上がりが燃料油の価格に影響するなど、自動車業界にとっては逆風が続いた。さらに、自動車ローンも規制が強化されたことが、自動車消費に直撃した。
4.鳥インフルエンザ、SARSの教訓生きる
1月中旬、広西チワン族自治区で、鳥インフルエンザの発生が確認された。すでに、東南アジアや日本、韓国、香港、台湾で、鳥インフルエンザによる家きん類の大量死が発生していた。中国政府も厳戒態勢をとっていたが、発生を防ぐことには失敗、計53カ所で鳥きん類の大量死が発生した。しかし、発生現場の封鎖や徹底した消毒などは奏功。また、情報公開にも努めたため、03年の新型肺炎SARS発生時のような混乱は起こらなかった。SARSの教訓がかなり生かされたと評価してよい。
5.三農政策本格化、貧富の差解消目指して
04年には、農業の振興、農村の経済成長、農民の増収を柱とする「三農」政策に力が入れられた。人口の過半数を占める農民が経済的に立ち遅れているままでは、社会不安が増大するという政治的判断がある。また、食糧増産を図るという戦略的な側面もある。温家宝・首相は5年後に農業税を撤廃することを明言した。一部の地域では、05年から撤廃の方針を示している。05年も「三農」が一つのテーマになりそうだ。地域格差の是正は急務。
6.日中の「政冷経熱」、「政冷経涼」へ移行の懸念も
2001年8月に小泉・首相が靖国神社を参拝したことに始まった「政冷経熱」状態は、04年も改善がみられなかった。日中両国には「それぞれの首脳が1年に1度は相手国を訪問しよう」という取り決めがあったが、実現の目処はまったくたたない。それどころか、国際会議などの機会での二者会談もなかなか実現せず、紆余曲折を経た結果、11月21日、APEC(アジア太平洋経済協力会議)に出席した小泉・首相と胡錦涛・国家主席の会談がようやく実現した。国営通信社である中国新聞社は、「『政冷経熱』から『政冷経涼』への転換を警告」と、政治面の冷却が経済にも影響する危険を指摘した。
7.人民元切り上げ圧力、注目される中国政府の対応
03年に引き続き、人民元の為替方式をめぐる議論や観測が入り乱れた。中国政府の論調は「為替制度の改革そのものは検討している」と、方向をやや転換。ただし、「劇的な変更」を否定しつづけるだけで、具体的な説明は行っていない。過去の日本の例にも見られるように、このこと自体は不自然ではない。しかし、人民元切り上げを期待して外資の流入が急増しており、国家外貨管理局は、「外貨準備高が異常な速度で増大している。今後も、投機目的による資金の流入に対して、厳格に対応する」と表明した。為替方式の変更に関する憶測そのものが、中国経済に影響しはじめている。
8.サッカーアジアカップ、後味悪い日中決勝戦
中国で開催されたサッカーのアジアカップで、中国側サポーターのとった反日的言動が問題になった。背景には、小泉・首相の靖国神社参拝などに端を発する対日感情の悪化があるが、中国外交部の孔泉・報道官も、一部の中国人サッカーファンによる行き過ぎた行為を批判するなど、中国側にとっても反省すべき点が多い大会になってしまった。特に、日中の両チームが優勝をかけて臨んだ決勝戦の直後には、自国チームが敗れた腹いせに一部の中国人サポーターが、日本代表選手の乗ったバスを取り囲んだり、日本大使館の公用車が襲撃されるなどの暴動が発生した。08年の北京五輪の開催能力を疑う声も出た。また、日本側の「嫌中感情」を増大させてしまった。
9.東方航空機墜落、小トラブルも続出で不信感つのる航空運輸
11月21日、内モンゴル自治区の包頭空港を離陸した直後の中国東方航空機が墜落した。地上にいて巻き込まれた人と合計して、55人が犠牲になった。それ以外にも、目にあまる遅延の頻発、飛行機の機体の一部が損傷、油圧関連のトラブルで客席内に煙が充満するなど小さなトラブルも続出している。順調に発展している中国航空業界だが、安全の絶対確保、定時運航への努力、乗客への対応など、業務の根幹部分に対する信頼性が問われている。
10.聯想、IBMパソコン部門を買収
12月8日、聯想集団有限公司が、IBMのPC事業の買収を発表した。中国企業としては初の、対外国企業大型M&Aとなった。IT業界の老舗中の老舗であるIBMのかつての花形部門が買収されたことで、日本のマスコミも大きく取り上げた。M&Aあるいは合資、独資会社設立などの方式で、中国企業の海外進出は増加するのは確実。人民元レートが実質的に切り上げられれば、この流れが一気に加速する可能性もある。
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