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青島の9月:日本との深い関係は「五四広場」に帰結

コラム2006/09/16(土) 15:42
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中国情報局版「青島便り」第12回−大木章

  中国において、9月は対日関係で特別の月です。山東省・青島市については、青島が舞台になっていることもあり、テーマになっていることもあって、より密接な関わりあいがあるとも言えます。

  まず、9月2日。1914年、第一次世界大戦が勃発し、日本がドイツに宣戦布告しました。日本が欧州戦線に参加するわけにはいかないので、日本のターゲットは当時ドイツの権益があった青島を中心とした山東省になりました。いわゆる山東(青島)出兵です。この時、日本軍はラオシャン湾付近に上陸し、ドイツ軍と戦端を開いたわけです。青島戦は2カ月にわたって続き、同年11月7日、日本軍による青島占領によってようやく終結しました。

  その時の戦闘は市郊外で展開され、市街戦はなかったため、当時ドイツが青島に建設した主な建物や構築物は現在まで残っています。ドイツが青島に残したのは、鉄道、港湾施設、上下水道、火力発電所、病院、レンガ造り赤屋根方式の建物、舗装道路、街路樹や町全体の植樹、公園、果樹(洋梨、桜桃、リンゴなど)、ビール工場、食肉工場などで、青島の近代インフラ基盤はドイツが築いたものとも言えるほどです。

  次に9月18日。1931年、瀋陽(当時は奉天)郊外の柳条湖で日本の関東軍の自作自演による鉄道爆破事件が発生、いわゆる満州事変勃発の日です。現地では「九一八」ともいいます。事件自体、青島とは直接関係ありませんが、この事件を契機にして、青島をはじめ、中国全土で排日抗日運動が起ります。青島市内でもデモ行進などの示威活動が盛んになり、日々緊張していたようです。

  現在の中国海洋大学本校は日本(実質的な)占領時、青島中学校があった所です。当時、その中学校の生徒であった日本人の方は登下校の途中に中国人から「小日本」と言われ、「日本鬼子」と石ころを投げられたこともあったそうです。その時は「九一八」事件の詳細が分からず、なぜ虐げられるのか理解できなかったらしいのですが、戦後になって真相が分かり、なぜ中国人が日本人に対してあれほど反感をいだいていたのか初めて分かったということです。

  9月ではないですが、日本と青島に深く関係する五四運動。1919年5月4日に北京で起きたこの運動は急速に中国全土に広がりました。

  第一次世界大戦では中国もドイツに宣戦布告して参戦、ドイツ降伏によって中国は戦勝国の一員となるはずでした。しかし実際に取りまとめられたベルサイユ講和条約では、ドイツの中国権益である青島などは日本に譲渡されるという内容だったのです。これに憤激した北京の学生が抗議活動を行ったのが五四運動の始まりです。

  五四運動の歴史的な意義や細かい状況は今なお議論が尽きませんが、日中関係を考える上では重要なターニングポイントです。1915年に日本は中国に対して青島など山東省のドイツ権益割譲を含む二十一か条の要求を突きつけていますが、ベルサイユ条約は日本にとっては二十一か条の要求の一部実現、中国にとっては二十一か条の再要求と認識されたようです。

  このように、五四運動は青島がテーマとなった大きな歴史的運動であり、青島でも重要な出来事として今でも認識されています。中心部にはその運動の名を冠した「五四広場」があり、巨大なモニュメント(「五月之風」)もあります(=写真)。青島のシンボルの一つになっています。

  「九一八」については、今でも毎年9月18日になると中国全土でイベントが行われますが、「五四広場」のモニュメントも青島市民にとっては日本をより強く意識する「歴史の鑑」なのかもしれません。(執筆/写真提供:大木章 第1期サーチナ・サポーター


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