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社内日本語研修:目的と目標をあいまいにせず、明確に

コラム2006/12/24(日) 07:07
上海発!日本語と日中比較言語学の実践講座 第6回−福田実行

  現在私は中国の大学で日本語を教えていますが、それ以外にも企業様の研修を頼まれることもしょっちゅうあります。

  そこで感じられたのは企業での研修の潜在需要は高いが、企業側もどうしたらいいのかよくわかっていないということ。

  よく企業を訪問したときに、開口一番言われるのが「会話の能力を上げてください」というもの。

  だいたいこの場合、日本語の授業は週に1度か2度なのですが、その頻度でしかもマンツーマンではなく複数の学生の会話能力を上げるのは、かなり難しいことです。

  そもそも「会話能力を上げる」という目標設定が漠然としています。

  「会話」というものを分析してみますと、テーマが次々と変わり、実はかなりの単語量や、本人の興味分野に依存することがわかります。

  例えば典型的な自己紹介を考えてみましょう。

  自己紹介でははじめに名前や学歴などを話しますが、その後聞き手が同系統の専攻であった場合、その専攻に対する話で話が弾むことが多いですし、また同じ出身ならその出身地の話で話が弾むこともあるでしょう。

  このように単純に「自己紹介」と切り出してみても、話がいろいろな方向に向いてしまうため、まだまだ日本語の語彙が足りない学習者にとっては一筋縄でいかない問題です。

  もちろん「会話能力を上げる」ということで、自己紹介から発展させてどんどんいろいろな話をさせるという授業をすることはできます。

  しかしその場合、企業によってはビジネスに関して無関係な内容ばかりの授業では困るとお叱りをいただくこともあります。

  これはやはりもともとの目標設定が漠然としていたからこそ起こるすれ違いです。

  最近は私も慣れてきましたので、はじめにお話をいただいた段階で、どのような授業の進め方が良いのか、会社側で期待することは何か聞くようになりました。いわゆる「要求定義」を固めてから授業を始めることができるようになりました。

  おかげさまで結果について企業様からお叱りをいただくことは少なくなりましたが、実際には企業側も教師側もこの「目標設定を明確にする」ということが行えていないことが多いようです。

  これから新年を迎えて、新しい日本語講座を始めたい企業も多いことかと思いますが、まずは日本語講座を始める目標とは何なのか、明確に定義することが必要なのではないでしょうか。(執筆:福田実行 第1期サーチナ・サポーター


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