中国株:指数の特徴から考える、中国株ETFの選び方

シロウト個人投資家の中国株あれこれ 第88回−さますの

  前回のコラムでは、中国株のETFについて、その種類と選び方をご紹介しました。投資したい市場やインデックスで選ぶのが基本のETF(上場投資信託)ですが、現実問題としては、最低売買価格で選ばざるをえないこともありますよね。また、信託手数料や配当利回りで選ぶ方法もあります。

買場を逃さずETFで投資!中国株ETFの種類と選び方

  でも、投資対象の市場や銘柄は、運用目標としているインデックスによって異なってきますから、今回は基本に戻って、投資市場や対象銘柄からETFを選ぶ場合について考えてみましょう。

  「どこの市場に投資したいか?」を決める場合ですが、まずは本土A株に投資するのか、それとも、香港市場に投資したいのかを考える必要があります。個別銘柄での投資が難しい本土A株に投資したいならば、A50チャイナ・トラッカー(2823)上証50連動型ETFになりますね。でも、この2つは、取扱い市場が異なるため、取引ルールが全く違いますから、どちらのほうが自分に良いかを考えてみましょう。上証50連動型ETFのほうが、投資への敷居は低いのですが、流動性に劣る点など、A50チャイナ・トラッカーにはない問題点もありますので、その点も注意が必要です。

◆参考記事:
人気沸騰の上証50連動型ETF、当面は注意が必要?

  香港市場に投資したい場合には、ハンセンH株指数ETF(2828)、トラッカー・ファンド・オブ・ホンコン(2800)、MSCIチャイナ・トラッカー(2801)から選ぶことになりますが、そのためには、それぞれのインデックスの特徴を知っておく必要があります。香港の地場企業を中心に投資したいならトラッカー・ファンド・オブ・ホンコン(2800)、中国企業ながら香港市場に上場してきた優良企業に投資したいならばハンセンH株指数ETF(2828)、それに加えて、中国資本の香港企業であるレッドチップ銘柄へも投資したいならMSCIチャイナ・トラッカー(2801)ということになりますね。

  MSCIチャイナ・トラッカーは、構成銘柄の対象に上海・深センB株やニューヨーク市場に上場している中国企業も入っていますが(要するに外国人投資家が買うことができる中国企業ということです)、実際のところは、ほとんどが香港市場の銘柄です。H株だけでなく、レッドチップも含まれますから、ハンセンH株指数ETFよりも、もっと広い銘柄に投資できると考えてよいでしょう。

  このように指数の種類によって構成銘柄の対象が違うため、ハンセン指数とH株指数は、まったく違う性格の指数と考えてよかったのですが、最近は、多くの金融銘柄の新規上場などもあり、市場におけるH株の地位向上に伴って、ハンセン指数とH株指数採用の重複採用が進んでいます。

  07年11月時点で40銘柄中7銘柄と、数だけ見ればまだまだ少ないものの、重複採用銘柄は時価総額の大きい銘柄が多いため、指数に与える影響も大きくなるのが特徴です。このため、ハンセン指数とH株指数の動きも、以前はまったく関連性が認められませんでしたが、最近は似た動きをすることが多くなってきました。今後はハンセン指数の銘柄数拡大も検討されており、重複採用がさらに増えていけば、ますますこの傾向は強まる可能性があります。

  またA株とH株も、以前はまったくといっていいほど連動性がありませんでしたが、最近は、A/H重複上場銘柄が増えてきたこともあり、本土A株の動きにH株も影響を受けるようになってきました。とはいえ、市場による違いは未だ大きく、香港市場に属するH株は、海外の機関投資家の動きに大きく左右されています。

  今後もA/H重複上場が増え、本土株でもQFII(指定国外機関投資家)の拡大により海外の機関投資家の存在感が増していけば、いずれA株とH株の動きには、あまり差がなくなってしまう可能性もあるかもしれませんが、しばらくの間は、やはり別ものと考えて良いと思います。

  ですので、もしETFを組み合わせるのであれば、やはり本土A株への投資ができるA50チャイナ・トラッカー(もしくは上証50連動型ETF)と、香港市場への投資ができる3種類のETFの中から、構成銘柄の種類のほかに、最低売買価格や信託手数料、利回りなども加味したうえで、自分に合ったものを選んでみる、というのはいかがでしょうか。

  私も愛用しているETFですが、今回、改めてキチンと調べてみて、それぞれの特徴を理解できたような気がします。中国株や投資の初心者の方や、銘柄選びをする時間がないという方にとって、ETFは強い味方ですので、お互いに上手に活用したいものですね♪(執筆者:さますの)

【執筆者】
さますの(ペンネーム)

30余年の間、定期預金ひとすじ。なんの疑問も持たず生きてきたが、ゼロ金利が続く事態に危機感を感じ、2003年、とつぜん投資に目覚める。最初は日本株から始めたが、2003年12月、おっかなびっくりで中国株の世界にも足を踏み入れる。
現在、中国株は、日本株などの投資対象と組み合わせた資産運用の一角として位置づけ。

●関連サイト
・さますのさんホームページ「なげやり的中国株対決!


■関連サイト
中国情報局ファイナンス「中国株特選コラム」
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