日本人と中国人との習慣のちがい−名刺の使い方・出し方

Y!コラム2008/11/04(火) 11:12 
mixiチェック このエントリーをはてなブックマークに追加
拡大写真

第1回

  日本では名刺はビジネスにおいて非常に大きな役割を果たしています。中国でももちろん同様ですが、いくつかの違いがあるようです。

  第一に、日本ではビジネスを行う場合、初対面でほぼ必ず名刺を交換します。そこで、名刺を常に十分な枚数を持っている必要があります。特に中国人が日本に出張する場合、日本で多くの人と面会するでしょうから、多めに持っていくことが必要です。

  第二に、中国人の名刺には携帯電話番号も印刷している場合が多いですが、逆に日本人の名刺には携帯電話番号は印刷されていない場合が多いようです。これは、日本人はビジネスは原則として、オフィスに連絡をする、あるいはEメールで連絡をするというのが基本になっており、携帯電話でビジネスをすることは、おたがい忙しい相手のじゃまをしてしまうおそれがあるので、緊急事態に限るという考え方があることが指摘できます。ただし、携帯電話番号をおたがいに教えあうこともありますので、必要と思ったら、携帯電話番号を教えてもらうように初対面でも頼むことも問題ありません。私の印象としては、中国では、勤務時間外でも携帯電話を使って仕事をしている人が多いように感じます。

  第三に、中国での名刺には、いろいろな個性的なものがありますが、ビジネスという観点からは、以下のような名刺は日本ではあまり使っていないようです。

(1)表面が光沢のある紙、セルロイドのような材質でできている名刺は、ペンで書き込みができないので、整理する時に不便です。(たとえば、最初に面会した日付を名刺に書いておく人もいます。)

(2)紙に色がついており、コピーすると、字が見づらくなるような名刺も、整理するときに不便です。

  第四に、私が中国で働いていた時に経験したのですが、中国では、名刺を相手に渡す時、自分の方に字を向けながら渡す人が半分以上います。日本では、受け取った相手がすぐ読むことができるような向きで渡すのが礼儀です。

  第五に、机をはさんで名刺を交換する時、中国では、名刺を放り出すようにして渡す人がたまにいますが、日本ではこれは失礼なこととされています。日本では、必ず両手をもって、相手に差し出すのが礼儀とされています。

  第六に、日本でも中国でも写真入りの名刺がはやっています。これは、お互いに覚えるために大変便利だと思います。(執筆者:井出敬二・前在中国日本大使館広報文化センター所長 注:本稿の中で、意見にわたる部分は、筆者の個人的意見であり、筆者の所属する組織の見解を代表するものではありません)

※本稿は中国網(チャイナネット)に掲載されたもので、チャイナネットの了承を得て転載しています。

【関連記事・情報】
井出敬二:日本人と中国人との習慣のちがい−はじめに(2008/10/28)
大使館の視点:中国進出の日本企業の社会貢献(3)(2008/08/13)
大使館の視点:中国進出の日本企業の社会貢献(2)(2008/08/06)

【執筆者】
井出敬二(いで けいじ)

外務省大臣官房参事官。
1980年外務省入省。OECD日本政府代表部(パリ)、在ロシア日本大使館広報文化センター長、外務本省(欧州、アジア大洋州、経済担当など)勤務を経て、2004年2月〜2007年7月、在中国日本大使館広報文化センター長、公使(マスコミ、文化交流、教育交流、青年交流等を担当)。2007年8月〜現職。著書に『中国のマスコミとの付き合い方』(2005年12月、日本僑報社)、『パブリック・ディプロマシー〜世論の時代の外交戦略』(共著、2007年9月、PHP)。インターネット新聞「日刊ベリタ」で『日中・広報文化交流最前線』を連載。中国語個人サイト『井出敬二中文个人網站』に、北京勤務時代に中国メディアから受けたインタビュー等掲載。


注目の企画