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中国現代アート「自分の肋骨を切除」=行為芸術の第一人者

コラムY! 2008/12/24(水) 16:13
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  中国現代アートのインタビュー連載。中国では絵画、撮影アート、インスタレーション(装置)とともに、パフォーマンス(行為芸術)も盛んである。今回は現在の中国パフォーマンスアートの第一人者である何雲昌さんに、今年8月に開始した自分の肋骨を切除するパフォーマンスを中心に語ってもらった。


――最近はどんな活動をしていますか?

  いや、特に何もやっていません。ゲームで遊んだり、酒を飲んだり(笑)。ぼくは年に1、2回ぐらいしかパフォーマンスをしないのですが、やる時は企画や海外の基金会との打ち合わせも含めてじっくり時間をかけて準備するので、終わったら重いものがぬけたような空白の気分に陥ります。一般的に数週間から数カ月間はだらだら過ごします。今も8月の行為が終わってしばらくは休んでいます。

――8月8日に自分の肋骨を1本抜いたやつですね。痛くありませんか?

  今はだいぶおさまりました。最初の2、3週間は激痛で息をするのも苦しかったです。今も重いものは持てません。残った破片が肉に突き刺さるので。肋骨を失った感覚にまだ慣れていない感じです。

<自分にとって大切なものと向き合う>

――8月8日というのはオリンピック開幕式の日ですが、何か意味があったのですか?

  手術で肋骨を切除してもらったわけですが、アートのために肋骨をぬいてくれという発想を理解してくれる病院はなかなかありませんでしたから、仕方なく友人である医師に頼んだのです。その日に手術をすることになったのはたんに彼のスケジュールの都合だったのですが、ちょうど開幕式の日と重なるのであればそれもいいだろうと思いました。

――それもいいだろうと言うのは?

  中国は「発展、発展」で来ていて、自分と向き合うことが少ないです。もっと自分自身と向き合うものが必要だろうと思ってパフォーマンスをやっているので、「発展、発展」の象徴のようなオリンピックの日はふさわしいのかなということです。

――自分自身を見つめることと肋骨を切除することの関係は?

  骨は死んだ後で残すものですが、骨をいかして生きていくことはできませんし、骨自体が残って活動していくこともありません。骨はあくまで死んだ人の過去でしかありません。 ぼくは自分の過去を大切にして、抜いた骨を残し、活かしていきたい。この骨は自分にとってとても大切な過去なのです。

――この骨はどうしていく予定ですか?

  しばらくは見ていたいので、何もせず側に置いています。ただ今回のパフォーマンスはこれで終わりではありません。これから自分にとって馴染み深い女性たちにぼくの骨を首にぶら下げてもらい、写真を撮っていきます。

――馴染み深い女性とは?

  母親、妻、以前の妻、それに昔の彼女たちです。

――彼女たちもまた何雲昌さんにとっての大切な過去だということでしょうか?

  そうです。ともすれば現在、現在ばかりを見て、過去を大切にしようとはしません。社会変化の急激な中国では特にそうです。そうした中で見落とされる過去の自分を大切にしたい。この構想は5年前から温めていたのですが、何よりぼく自身が自分の骨や過去の女性と向き合っていきたかったのです。

――それにしても、肋骨をぬくというのは恐ろしい気がしますが、前日に不安になったりはしませんでしたか?

  これまでのパフォーマンスの時もそうですが、やる前に不安になる性格ではないですね。予定にしたがって遂行していくタイプです。

――痛いのは平気ですか?

  平気ではありません。痛いのは嫌いですよ。でも、自分の思うことをやりたいわけですから仕方がありません。ただ、意外と心がすっきりするとは言えるのではないかと思います。(聞き手、文責:麻生晴一郎 企画:サーチナ・メディア事業部)

■現在の中国パフォーマンスアートの第一人者である何雲昌さん 前編|後編

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※本文中の写真は、上は首輪に仕立て上げた何雲昌さんの肋骨。下は「抱柱之信」(2003年)。この姿勢を24時間続けた。

何雲昌(フー ユンチャン、通称“阿昌”)

1967年、雲南省出身。雲南芸術学院油画系卒業。93年から昆明でパフォーマンスアートを始め、99年より北京で活動。コンクリートの箱の中に24時間閉じこもったり、112日間かけてイギリスを徒歩で一周するなど肉体を駆使した超現実的なパフォーマンスを続ける中国の第一人者。


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