タイのセメント最大手サイアムセメント=阿部俊之

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  タイではこれから鉄道建設、地下鉄建設などが開始される。

  2009年内にはスワンナプーム国際空港からバンコク市内までエアポートリンクが開通される見通しである。他にもBTS(高架モノレール)の延伸、新たな地下鉄の路線も着工予定となっている。

  建設需要が高まっていけば必要とされる建設資材などで代表的な企業で、タイで王室系のコングロマリットとして有名なサイアムセメント(SCC)という企業がある。

  こちらの本社は大変長い歴史があり、大きい象のブランドマークの企業である。

  バンコク内を歩いているとセメントの袋などで象のマークを見かける。セメントのブランドではサイアムセメント、サイアムシティセメント、TPIポレンのいずれかである場合が多い。セメント生産ではこれら3社でほとんどのマーケットを占めている。

  このサイアムセメント(SCC)社はセメントだけではなく、売上の多くがすでに石油化学などが占めているためセメントだけの会社とは言えない。ただ、サイアムセメントは時価総額の大きい企業であるともに、タイを代表する企業の一つであり、ブランド力のある企業である。

  街中で子会社の一つCPACはタイ国内で住宅建設の現場、ビル建設の現場などで良く見るセメントブランドの一つである。

  サイアムセメント (SCC) タイ証券取引所  証券コード SCC

■サイアムセメントの企業概要

  サイアムセメントグループ。「SCC」はタイ最大のセメント生産企業で、石油化学、パルプなども扱う王室系のコングロマリット。セメント事業、石油化学事業、製紙事業、建設資材事業、輸送事業を展開する。

  大株主は王室財産管理局=CPBである。このCPBでは(Crown Property Bureau)は建設資材最大手サイアムセメント(SCC)、タイ商業銀行サイアム商業銀行(SCB)、不動産開発サマコーン(SAMCO)などを保有している。

  バンコク都内にも多数の不動産を管理していて、3万件以上の不動産物件、主なものにはスワルンナイトバザール、サイアムパラゴン、セントラルワールドなどは王室財産管理局が所有する土地である。

  サイアムセメントの売上シェアの1位は石油化学事業となっていて今後もタイの東南部にあるマプタプット工業団地地区の石油化学事業へ投資していき、生産能力を拡大していく計画である。他にもベトナムではクラフトペーパーの生産を増加させるため、製紙工場を建設していく計画がある。

  ただし2008年後半は急激に景気が悪化したために一部のプロジェクトは凍結することを発表している。

  子会社には、塩化ビニル(PVC)樹脂大手タイプラスチックアンドケミカル(TPC)社を06年度より連結対象としていて売上は増加している。こちらの会社は東南アジアでは最大のPVC生産メーカーで、PVC関連の石油化学製品の生産はタイ国内の2工場(サムットプラカーン工場、ラヨーン工場)で行っている。

  サイアムセメントが手掛けるビジネスは世界の価格競争に巻き込まれることもあるため、パルプなどの価格競争の影響、生産コストの上昇などもあり、大企業と言えども厳しい環境が続くと見られている。(執筆者:阿部俊之 タイ経済・投資コンサルタント)

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阿部俊之 - 「タイ株(アジア株)と海外投資」のブログ


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