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中国中産階級の間に流行、車のトランクを利用した露天商 |
【コラム】 Y!
V 2009/08/10(月) 09:52
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毎日夕方になると、筆者が住んでいる北京市の団地の近くの道では「トランク露店族」が現れる。彼らは、夕方、選んだ場所に車を泊め、車の後ろのトランクを開け、商品を取り出し、呼び売りをする。しかし、彼らは普通の街頭の小さな行商人とは大分違っている。いつもしゃれたファッションに身を包む彼らは、買い手と交渉する際の言葉遣いや態度にも教養を示す、ホワイトカラーだ。彼らは目下中国の大都市で夜の独特の光景を醸し出している。
北京市海淀区にある中国人民大学の周辺、五道口、通州などの地域が、「トランク露店族」の集中地である。流暢な外国語を話せる「海帰」(海外留学からの帰国組み)、会社員、学校の教師などからなる「トランク露店族」は毎日の仕事を終えたら、いつもの場所で車の後ろのトランクを活用しての露店のオーナーとして、呼び売りを始める。
上海、福州、青島、杭州などの大都市でも、北京の「トランク露店族」と似たような「ホワイトカラー露店族」が見られる。これらの都市でも「ホワイトカラー露店族」になっている会社員、学校の教師、公務員、外国語を使いこなす「海帰」などの大部分は、車もあり住宅もあり、それを生業としている一般の露天商とはまったくの異質だ。
「ホワイトカラー露店族」の多くは若い人である。彼らは車を横一列に並べ、車の尾が道路の片側に面するように駐車する。車の後ろのトランクから服、靴、帽子、漫画、おもちゃなどを取り出して商売を始める。自動車のトランクの限られた空間でより多くの商品を展示するために、トランクの中で小さな靴の棚を設け、各種の靴を置く。様々な携帯電話のストラップを展示するため、トランクの蓋の内側に金属製のストラップ展示用フックを設置している人もいる。一部の人は伸び縮みするハンガーの棚を車のそばに置き、婦人服の見本を展示する、この場合はトランクは倉庫になる。
普通の行商人とは違い、経営時間の制限があるため、露店族になったホワイトカラーは毎日露店を出すことはしない。売っている商品も服、鞄、化粧品、CD(DVDも)などに限られている。買い手の要望により商品を仕入れる場合もあるという。
言うまでもなく、ホワイトカラーが露店を出す目的の一つは金儲けだ。遊び心で露店を出すホワイトカラーももちろんいるが、正規外の収入を得ることが目的としては主流だ。
しかし、ホワイトカラーが露店という方式で金を儲けることはそんなに容易ではないようだ。普段、彼らは朝4−5時に起き、夜10時に家に帰る。週末になると、遠くから商品の仕入れをしなければならない。露店族の人数が急増するにつれて、競争もますます激しくなる。競合・同僚対策で、露店を出す場所と時間帯の選択や工夫が必要だ。同僚対策というのは、会社から副業禁止令が出されていなくても、同僚に露店が見つかれば、それはそれで不都合だからだ。
もちろん、彼らは露店経営に専念するために会社を辞めることはしない、本当の露店経営者になるつもりはない。ホワイトカラーの身分を失ってしまえば露店を出す勇気も消えてしまう。安定した仕事を持つという前提で露店経営をする、ということである。
インターネット上では、これらの「ホワイトカラー露店族」はよく露店の場所、商品の仕入れの攻略、買い手との交渉策などについて熱く議論する。
ハンドルネーム琳小様の「トランク露店族日記」は現在、大変な人気を呼んでいる。日記の中で、「株の売買をする際に、ちょっとすれば数千元を儲ける、あるいは損することはあり得る。しかし、露店を出すのは違う。買い手の手から体温を帯びる紙幣を頂くことを通し、生活の味を体得することができる」と語っている。
人材中国大手・中華英才網は最近、1463人の若いホワイトカラーを対象に調査を行った。その調査結果では、6割あまりの調査対象者には自発的に本業以外の「副業」を探す意欲がある。その主な動機は収入の増加である。この調査により、就職したばかりの若いホワイトカラーは給料がそれほど高くないものの、消費意欲が極めて強い、ということがわかった。
「副業」をする機会があるならば、日常の生活支出を下支えすることができるし、貯金することもできる、このような理念は段々、多くの人に受け入れられるようになってきた。そのほか、「創業の感覚を体験したい」と「新しいライフスタイルを試みたい」という考えを示した調査対象者はそれぞれ18.3%と14%を占めた。
北京大学教授・燕継栄氏は、「ホワイトカラー露店族」という現象を中国の中産階級の生活様式の一つと見ている。その現象が目下中国で大流行している「網店」(淘宝網を代表とするインターネット取引プラットフォームを使っての出店)という現象と類似していると指摘している。
「ホワイトカラー露店族」の動機から言えば、家計補助や遊び心、商売経験の蓄積などが挙げられる。いずれも、生活に困らず、緊迫感のあまりない心理状態でやれる。しかし、本業以外に苦労と時間をかけた「トランク露店族」に最終的に快楽と心理的満足が得られるかどうか、それを判断することは簡単なことではないと筆者は思う。
写真はイメージ、北京市の女性ホワイトカラーの「恋愛補習」の様子。恋愛する暇のない女性ホワイトカラーのための心理的素養向上を目的として開設されたカリキュラム。(執筆者:祝斌・北京在住の社会問題ウォッチャー)
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