クリーク・アンド・リバー社はクリエイティブ分野で韓国、中国の人材をカバー

【第1四半期連結業績の説明会を開催】

■業界を代表するトップレベルの人材が多数同社の関連エージェンシーに登録

  クリーク・アンド・リバー社 <4763>は、8日に本社で今11年2月期第1四半期連結業績の説明会を同日午後四時から開催した。

  同日に第1四半期連結業績は発表されている。売上高31億8200万円(前年同期比5.8%増)、営業利益△1億2600万円(前年同期△3300万円)、経常利益△1億2200万円(同△3000万円)、純利益△7500万円(同△1500万円)と増収ながら赤字幅は拡大。

  クリーク・アンド・リバー社は、分野別に分けるとクリエイティブ、医療、IT・法曹・会計に分けられる。

  それぞれの分野で業界を代表するトップレベルの人材が多数同社の関連エージェンシーに登録している。

■クリエイティブ分野は、日本だけでなく、韓国、中国の人材をカバー

  クリエイティブ分野の企業は、クリーク・アンド・リバー社(日本)、CREEK&RIVER KOREA(韓国)、今年3月設立した創河(上海)商務信息諮詢有限公司(中国)と日本だけでなく、韓国、中国の人材をカバーしている。現在登録しているクリエイターは4万9000名、クライアント3000社である。クライアントは、TV局、映像会社、WEB開発企業、モバイル企業、広告・出版社、ゲーム開発企業、アミューズメント関連企業、イベント関連企業、一般企業等。

  医療分野は、メディカル・プリンシプル社を97年に設立し、医学生8600名、医者3万6300名が登録し、クライアントとして7800の医療機関と提携している。現在、医師市場の5倍ある看護師市場へも進出し、看護師の登録も開始している。

  IT分野は、リーディング・エッジ社を2000年に設立、現在900名のITエンジニアが登録、クライアントであるメーカー、ベンダー、Sier50社と取引している。

  法曹分野は、C&Rリーガル・エージェンシー社を07年に設立し、弁護士2160名、パラリーガル等600名、クライアント400社が登録。クライアントは、法律事務所、自治体、一般事業会社等。

  会計分野は、ジャスネットコミュニケーションズを09年グループ化している。現在登録している公認会計士、税理士は1万4500名、クライアント500社である。クライアントは会計士事務所、税理士事務所、一般事業会社。

■医療分野は、積極的な投資により経費が嵩む

  セグメント別の売上高、営業利益は、クリエイティブ分野(日本)22億300万円(前年同期比1300万円増)、△400万円(同3000万円増)、クリエイティブ分野(韓国)4億3700万円(同7300万円増)、300万円(同0円増)、医療分野3億2800万円(同6700万円減)、△9000万円(同1億700万円減)、IT・法曹・会計分野2億6200万円(同1億7500万円増)、△1300万円(同300万円増)。

  クリエイティブ分野は、増収増益と堅調であったが、医療分野は、既存事業、看護師事業ともに人員を大幅に増やし、東京・大阪オフィスを移転し、増床する等積極的な投資により経費が嵩んだ。更に前年第1四半期に開催していた病院と医学生、医師のマッチングのための日本最大のセミナー「レジナビフェア」が一部第2四半期に移動したことにより、売上、営業利益とも大幅に減少した。IT・法曹・会計分野は、昨年6月に会計専門の企業を買収したことで、大幅増収となり、営業利益も増加した。

■今年どのような手を打つかが、今後の成長を占う重要な一年

  同社のこれまでを振り返ると、創業から10年経った1990年から2000年までは、クリエイター・エージェンシーとして人を中心としたビジネスを展開。その後の10年は、「制作プロデュース」として請負サービスを付加して事業展開を進めてきた。2009年までは、事業が順調に拡大して売上も拡大し、業績も最高益更新を記録してきたが、2010年3月期は、リーマンショックの影響で、最終赤字となっている。しかし、同社ではこの様な業績の変化の節目に時代の変化が起こることを経験していて、今期は大きな変化の年として位置付け、今年どのような手を打つかが、今後の成長を占う重要な一年と捉えている。具体的には、2010年から今後の10年間を「クリエイターのライツ(権利)」を活かした事業を国内はもとより、海外で展開していくことで、大きな飛躍を目指している。

■デジタル化でマーケットが一瞬にして世界に広がった

  代表取締役社長井川幸広氏は、日本のクリエイティブ分野の事業戦略のキーワードとして、EC(電子商取引)、電子化、中国を挙げている。

  まず、ECについては、EC専門組織を組成し、強化することで、ECをクリエイティブとビジネスの面からサポートする。収益については、受注型から、利益配分型、成果報酬型のリべニューシェア(収益分配)モデル推進による利益向上を目指していくとしている。この件については、既に中国からの話も来ているとのこと。

  電子化については、「デジタル化したことで、マーケットが一瞬にして世界に広がった」(井川幸広社長)とデジタル化による影響がこれまでに無い膨大な市場拡大を実現したと捉えている。

  電子化により最も大きな影響を受けている一つに出版業界がある。これまでは本として出版されていたものが、電子化の技術により、電子ブックが出てきた。そこで、同社では、出版社、個人のライツ(権利)ビジネス、電子出版制作支援等、総合的な取組を開始している。

■クリエイターの権利を確保した上で電子出版等でアジアへ展開

  今年3月に上海で出版エージェンシーサービス事業を開始したところ、既に中国より270冊以上の翻訳のオーダーが来ている。紙メディア出版物を電子ブックとすることで、一挙に中国市場で販売することが可能となる。日本においても電子ブックは急成長していて、2001年から09年まで市場規模は143倍に急成長している。03年の市場規模は17億円であったものが、09年は574億円となっている。

  同社としては、ライツプロデュース、電子出版サービスについて積極的に推進していく。まず、ライツプロデュースでは、クリエイターの権利を確保した上で、電子出版等でアジアへ展開していく。

  そのために、電子出版のサービスが不可欠であり、デジタルアーカイブ化(文書スキャニングPDF化)からインタラクティブブック(動画・音声・EC)まで制作を行なう。更に、電子書籍の販売促進、最適なプラットフォーム提案、利益配分契約など総合的なコンサルティングも行なう。

  一方で、セミナーやカンファレンスの実施、電子書籍化に必要なクリエイターの研修・育成も行なっていくとしている。

■既に270件以上の日本書籍の中国での出版オーダーを受託

  中国は、これまでの世界の工場というイメージから、国が豊かになり、市場として世界から注目を浴びている。

  同社では、中国に進出し、出版エージェンシーサービスとしてスタートしている。まず日本の出版物ライセンスを代理店販売する。ライセンスを販売した後のサービスとして、出版物の電子化のサービスも開始し、その後の事業展開も視野に入れている。上海出版業界だけで1兆2000億円の市場規模があり、毎年約10%成長を継続している。

  活動拠点は、今年3月に設立した創河(上海)商務信息諮詢有限公司。既に、上海の60の出版社、120の雑誌社から出版ライセンスニーズをヒアリングし、270件以上の日本書籍の中国での出版オーダーを受託している。そのため、日本の出版会社に出版権利交渉を開始している。今後は中国の出版業界のニーズを取り込むために、組織的な営業を行なっていくとしている。

■韓国のコンテンツ権利を取得し日本に販売

  韓国のクリエイティブ分野での事業戦略としては、プロデュースに焦点を当てている。

  トップクリエイターの作品の映像、書籍に関するマネジメントを行い、ライツビジネスを展開していく。現在62名のトップクリエイターをマネジメントしている。映画「猟奇的な彼女」の監督であるクァク・ジェヨン氏、韓国漫画家協会会長である漫画家イ・ヒョンセ氏といった世界的に有名なクリエイターが名を連ねている。

  韓国のコンテンツ権利を取得し、日本に販売する計画。既にクリエイターの優れた企画に投資し、社会性・文化性の高いオリジナルコンテンツを社会に提供することを目的としたファンドを、韓国映画振興委員会の呼びかけのもとで組成している。日本での販売先を開拓すると共に、今後も新たなライツビジネスを展開。現在投資先のコンテンツを選定中。

■看護師エージェント事業の事業基盤を早期に確立、ドクター市場の5倍

  医療分野では、ドクター・エージェンシー事業のノウハウを活かし、看護師エージェント事業の事業基盤を早期に確立しようとしている。先述しているように、ドクター市場の5倍であり、今後の事業展開次第では大きく成長する。現在、1000件の募集が来ている。

  メディカル・プリンシプル社には、全国28万人の医師の約13%に当る3万6300名が登録し、全国8700病院の内の7800病院と提携している。現在は、医師求人情報サイト「Medi Gate」の運営、医師のためのヒューマンドキュメント誌「DOCTOR'S MAGAZINE」の出版、医学生・研修医のための初期・後期臨床研修プログラム情報サイト「レジナビ」の運営等を行っている。

■IT・法曹・会計分野の事業戦略はセグメント全体での黒字化を目指す

  IT・法曹・会計分野の事業戦略は、グループ間シナジーを強化し、事業基盤の確立と、セグメント全体での黒字化を目指している。IT分野のリーディング・エッジ社には、ITエンジニア900名が登録している。グループ全体のEC事業等を、IT面からサポートしている。現在は、Android系スマートフォンエンジニアの育成・派遣を行なっている。また、企業の基幹システム等のクラウド化にも取り組んでいる。

  法曹分野のC&Rリーガル・エージェンシー社には弁護士2160名が登録している。C&Rリーガル・エージェンシー社は、法曹界の情報、キャリア、経営をサポートしている。現在、年6回発行している「Lawyer's MAGAZINE」を法律事務所、一般企業、ロースクール、弁護士向けに出版している。発行部数は3万部。また、小規模法律事務所向け経営支援・弁護士向け開業支援サービスも開始している。

  会計分野のジャスネットコミュニケーションズ社には、公認会計士・税理士等が1万4500名登録している。同社ではキャリアアップをサポートする多様な情報を提供するため、年間50講座を実施し、約1000名が参加している。

  今11年2月期連結業績予想は、売上高140億円(前期比7.3%増)、営業利益3億円(同111.3%増)、経常利益3億円(同90.4%増)、純利益1億円(前期△4500万円)と増収大幅増益で黒字転換を見込んでいる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)

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