鳥のように軽く飛ぶ小型ロボットたち=スイス・国家主要研究

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  スターウオーズに登場する金属製の人型ロボットではなく、鳥が何羽もお互いにコミュニケーションしながら屋内を飛び回る。そんなイメージの小型ロボットを連邦工科大学ローザンヌ校 ( ETHL/EPFL ) が開発している。

  これは、連邦政府が援助する「国家主要研究 ( NFS / PRN ) 」の一つとして、現在、連邦工科大学人工頭脳研究所のダリオ・フロレアーノ教授が率いているプロジェクトだ。なぜ小型のロボットなのか、その利点や今後の課題などを聞いてみた。

  swissinfo.ch :  いわゆるサイエンス・フィクションに登場するヒューマノイドロボット ( 人型 ロボット ) ではなく、小さなロボットの「小飛行隊」などを創作する利点は何でしょう。

  フロレアーノ : われわれの目的はあくまで人間に役立つロボットを作ることです。それに、大きな人型ロボットが自分のすぐ傍にいて人は本当に幸せなのか。これは西欧社会においては大いに疑問視されています。日本では話は別のようで、多くの人型ロボットの研究が進んでいます。

  また、大型ロボットには巨額のお金がかかるのでソニー、トヨタ、ホンダのような大企業だけが製作できる。スイスでは製作できません。

  swissinfo.ch : 連邦工科大学ローザンヌ校が開発しているのは、特殊な小型ロボットの集団で、それらはお互いに協力し合って作動すると考えてよいのでしょうか。

  フロレアーノ : 自然界の法則からインスピレーションを得て、それをロボットの機能に応用しています。動物たちの自然界に適応し自分たちで組織を形成する能力からヒントを得ました。もちろんこうした能力は動物に限らず人間もそうですが。

  多くの場合、飛行ロボットを製作していますが、これらを超小型化する必要があります。というのも建物の中を飛行させるため、小型で高速、かつ軽量でないと、誤って人に当たった場合困るからです。

  GPS ( 全地球測位システム) の届かない建物の中で、これらの飛行ロボットは簡単なコミュニケーションを行い、自分たちの行き先を決めます。

  例えば、ある建物の中で助けを求めている人のために、こうした飛行ロボットの使用を考えています。ロボットはこの人を直ちに見つけ出し、その場所を救助人や車輪のついたほかのロボットに連絡します。するとこの人をロボットや救助人が助け起こして安全な場所に連れて行くのです。

  swissinfo.ch : こうした任務遂行のために、ロボットに必要とされている能力とは何でしょう。

  フロレアーノ  : 全体としてかなり複雑な任務を、いかに個々のロボットが分担するか。これが一番の課題です。それぞれが単純な知覚と制御の能力を持てるように開発しています。われわれの目的は、一つの完璧で統合的な人工頭脳を製作することではないのです。

  具体的には、一つのロボットが扱うデータ量は、クレジットカードのチップ以上のものではない。つまりそれぞれのロボットが情報の断片を持ち寄り、全体の情報が出来上がるのです。そのため、この情報交換のシステムにはまだまだ開発すべき点が残っています。

  swissinfo.ch : ほかに改良すべき点がありますか。

  フロレアーノ  : 次世代のロボットは、柔らかく、柔軟性のある、生き物に近いものになるべきだと考えています。ロボットは現在まだ「堅い器械」で、それは過去と現在の技術の産物ですが、人間と共存できるロボットを作りたいのなら「ソフトネス ( 柔らかさ) 」を追求すべきでしょう。

  もし一部でも柔らかい物でできていれば、制御やモーター部分がかなり変わってくるはずです。こうすれば例えば力の強いロボットでも、( 人間にとっての危険を回避するために ) 腕の先がどこにくるかなどを予知する必要はなくなります。ですから生き物からインスピレーションを得て製作すべきなのです。

  swissinfo.ch : 今回の研究のもう一つの核にロボット工学で動くプロステーシス ( 人工関節など ) がありますね。

  フロレアーノ  : チューリヒ大学が人工の腕の開発を行っています。たとえまだ成功していないとしても企業がそれを製作するところまで研究は進んでいます。

  わが校がこの分野で専門性を発揮するのは、頭脳とロボットを繋ぐ部分です。かなりの成果を上げており、電極を人の脳に埋め込む必要がなくなりました。脳からの命令を脳の外部でキャッチし、それを心臓のリズムや筋肉の動きに結び付ける仕組みです。そうして例えば、人工頭脳の車椅子やプロステーシスを動かす。プロステーシスはこうして、その人が疲れて止まりたい個所などで止まれるのです。

  swissinfo.ch : ロボットは今後ますます生活の中で必要とされていくでしょうか。

  フロレアーノ  : それは絶対です。高齢化社会では、ロボットのお陰で高齢者が老人ホームに行かず自宅で生活できるようになると思います。例えば、気分が悪い、トイレに行きたい、または朝ベットから起き上がりたいといったときに、ロボットが助けてくれるようになるからです。それには必ずしも看護婦の形をしたロボットが必要ではありません。

  また、将来ロボットがもっと活躍するという意味は、いわゆるロボットとして独立した物の活躍だけを指してはいません。今行われている研究では、例えば、人工頭脳を備えた自動車や家具などが活躍する可能性があるのです。

  従って、われわれの国家主要研究の仕事は、いわゆるロボットといわれる物体の製作を超えた研究なのです。[マルク・アンドレ・ミゼレ 訳:里信邦子](情報提供:swissinfo.ch)

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