豊富な復旧実績と弛まぬ研究が、RAID復旧のスピードと信頼を育む=日本データテクノロジー(3)

mixiチェック このエントリーをはてなブックマークに追加
拡大写真

  復旧件数日本NO.1(東京商工リサーチ調べ)である日本データテクノロジーの西原世栄氏にデータ復旧の実際について話を聞く。多くの企業から持ち込まれるのは、「すぐにデータを取り出してほしい」という要望だという。容量にもよるが、論理障害については、「1日で復旧できないケースはない」と言い切れるほどの実績を積み重ねてきている。実際の復旧事例を聞きながら、同社の技術力の源泉を解説してもらった。(3回シリーズの3)

――論理障害の場合は?

  論理障害は、16進数で診断するのですが、たとえば、そのデータシートは、1セクター512バイトのものが1000枚で1KB(キロ)、その1000倍が1MB(メガ)、さらに1000倍して1GB(ギガ)、さらに1TB(テラ)になるので、2TBになるとシートは40億枚になる。その中でどの部分が悪いかを判断します。

  当社は多くの事例に接してきているので、ウィンドウズ、リナックス、それぞれに悪いところにあたりを付けられるという強みがあります。症状をヒアリングした結果から、悪いところを特定し、数十億枚のシートから数百枚に絞って、障害のある部分を手入力で一つ一つ修復して一旦、動くようにします。それを専門設備につないで、データを取り出すのです。

  弊社には、専門アドバイザーがおりますので、事前の電話ヒアリングで、物理障害、論理障害の違いがある程度わかる。論理障害の場合は、1日で修復できると考えていただいてかまいません。復旧設備などの状況がありますので、1週間、2週間などの場合もありますが、特急の場合は、修復に人数もかけますし、夜間も作業を続けますので1日で復旧できないことはほぼありません。

――現実の事例で、御社の特徴が表れているようなケースは?

  遠いところからの依頼になりますが、マレーシアの日系企業からの依頼がありました。マレーシアの復旧会社で復旧に取り組んだもののダメで、わざわざ日本に持ってきて頂いたケースです。北海道や神戸から、飛行機の最終便や最終電車で東京に来て、銀座に夜中に持ち込まれるケースなどもあります。緊急なデータであったため、翌日に納品しました。基本的に日本のどこからでも郵送で対応しています。

――地方にも復旧会社はあるのに、なぜ、東京まで持ってくるのですか?

  やはり信頼性、セキュリティの部分を重視されているからです。当社では作業現場に入るためには金属ゲートを必ず通らなければならず、不正にデータを持ち出すことができない仕組みになっています。また、Pマークを取得するなど信頼性に力を入れています。個人情報流出の問題などが社会ニュースになっているので、データの管理は万全を期したいという思いがあるようです。

――技術力の高さがわかるようなケースは?

  24台構成のRAIDは、一般の会社では取り扱いができません。たとえば、1MBの写真をRAID分散して保存する場合、分割の仕方をわからないと復旧できない。4台くらいだと分割パターンが限られ、想像でパターンを考えて当たることもありますが、24台分散になるとバイナリーデータを分析できないと、復旧は不可能です。

  さらに、ハードウエア的にも無理なケースがあります。普通の会社では電源やインターフェイスなどの問題で24台をつなげる設備がありません。当社では、既存の設備で対応できない機種で復旧依頼がきた場合は、同型のサーバを購入してしまっています。技術投資と割り切って百万円のサーバでも買ってしまいます。その新品のサーバで、依頼案件のクローンを作るのです。セクター単位でコピーするという精密なクローンを作って、クローンのディスクで分析を行ないます。このような工程を踏むことで、お客様のディスクにダメージを与えることがなくなります。お客さまのディスクを直接使って復旧作業をする会社もありますが、その場合は復旧に失敗したときに、ディスクに与えるダメージは致命的なものになります。

――UPS(無停電電源装置)が間違って使われているケースが多い?

  UPSは、そもそもバッテリーではありません。停電になっても、そこから電力を供給し続けるというものではなく、一時的に、正常にシャットダウンをする猶予を与えてくれるという装置なのです。ここが誤解されています。個人向けの商品は、10分間程度の動作時間しかありません。停電時に自動的にシャットダウンするようなコマンドを出す設定があるのですが、そういうことを知らないで使っている人が多く、UPSを使っていても不正常なシャットダウンでHDDが壊れてしまうということが相次いでいます。使い方に注意していただきたいと思います。

――復旧が不可能なケースはあるのですか?

  物理障害の場合は、ディスクに引っかき傷があると厳しいです。記録面に傷が入ると物理的にデータが存在しないことになってしまい、データが読み取れません。プラッターとヘッドを読み取る隙間は、煙も入らないくらいの狭い隙間です。接地の角度が変わったり、熱で変形したりすることで傷がつきます。今、当社では傷を避けながらデータを読む技術もありますが、傷の場所と深さでデータの取得率は変わってきて、満足のいく復旧ができない場合が多いです。

  一方、論理的な障害は、10年前に消したデータを復旧するのは無理です。たとえば、削除しただけだと、データは生きているので、間違った削除コマンドで消してしまってもすぐに持ち込んでいただければ、ほぼ完全に復旧できます。データ保存は、管理データと実データに分かれていて、一般に論理障害を起こしているのは管理データの不具合によります。実データを上書きで塗りつぶしていない限りは、ほぼ間違いなく復旧できます。ウイルスなども管理データをおかしくしてしまうものがほとんどなので、ウイルス感染の場合は、ほとんど復旧可能です。反対に意図的に消されて、それを復旧したいケースは難しいです。企業犯罪が行なわれたケースで、メールの送受信履歴を復元するようなケースは、徹底的に痕跡が消されていた場合は復旧できません。

  ただ、実際には様々な問題が複雑に絡み合っているので、実物のHDDを診断してみなければわからないケースが多々あります。まずはお電話でご相談をして頂いて、HDDを送って頂くことがデータ復旧を安全に行うポイントだと言えます。(おわり)(編集担当:徳永浩)

【関連記事・情報】
日本データテクノロジー - 公式サイト
RAID機器の重要データをスピード復旧させるために1万点の部品在庫=日本データテクノロジー(2)(2011/09/26)
データ復旧はスピードと技術力が鍵=日本データテクノロジー(1)(2011/09/20)
大手ユーザー系SIer3社、有力メーカー13社とクラウド検証をスタート(2011/05/17)
【被災地レポート】大手ITメーカーは全社で対応、物流とガソリン調達に苦労も(1/2)(2011/04/19)
日本HPのバックアップ/リカバリ新製品、仮想環境の対応を強化、低価格を実現(2011/04/07)


注目の企画